だから何ですか?Ⅱ【Memory】




『あ・・・そうそう、リオに昨日返しそびれてたんだ。・・・言っておいてよ。ネックレス預かってるって』


「っ・・・」


『あと・・・首の痕。・・・ちゃんと処置して隠せたのかな?』



プツリ・・・。



切れた音は通話なのか自分の何かの糸なのか。


あっ・・・飲まれて沈む。


放心に近い状況なのに、最悪な計算だけは驚くほど速い。


だって・・・ネックレスって・・・。


無いって言っていたのが昨日の朝の話。


つまりはそれ以前に失くしたという事になって、それ以前での時間を遡れば三ケ月と初めて会った日になる。


あの日、三ケ月から逃げるように亜豆を連れ帰った。


その時にはあのネックレスが首元にあったのは記憶にある。


それでもその以降は?


さすがに見送った際に亜豆の首元にあったかは記憶になくて、別れた後の亜豆の時間までは把握していない。


もし三ケ月があのネックレスを持っているのだとしたら、それは俺の把握しない後の時間。


三ケ月と・・・会っていた?


昨日も、おとといも。


こんな焦燥感は似たような記憶がある。


あの時だ。


海音との関係を疑って誤解して焦りに焦って。


でも、今度の事と明確に違うのは、海音と違って三ケ月は亜豆に好意を寄せていた相手という事。


つきあっていた相手。


今も好意を示して、横恋慕する気を隠さず示して、そんな危険さ明確な男なのに。





なんで・・・そんなに無防備なんだよ。



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