だから何ですか?Ⅱ【Memory】
これがまさに癖になりすぎて依存してハマりこんで今に至る。
こっちを見事煽った癖にその誘惑性に気がついていない本人は、さらりとした姿で他のワインの試飲を頼んでいるくらいだ。
ワインがつまみかよ。
目的が俺って・・・ヤバい・・・絶対に今日も暴走する自信ある、俺。
そんなアホな思考をしているなんて夢にも思っていないらしい亜豆が、『こっちも美味しいですよ』と飲んでいたそれを示してくるのに頭は煩悩だらけと言うのか。
ワインの味とかすでによく分からん。
それでも勧められたワインを口に運んで、どれにしようかと2人でボトルを並べていれば。
カランと響く味のある来店の響き。
それに何の気なしに意識を引かれて視線を動かせば、入り口に立っているのは品のいいコートを纏い、覗くスーツも上質そうなスマートな男。
おお、イケメン。
まさにイケメン。
これぞイケメン。
そんな感想を男の俺でも抱いてしまうその容姿。
確実に八頭身だよね。と言いたくなる長身で、艶やかな黒髪は少しだけ緩く癖がある。
白く滑らかな肌は下手な女子より綺麗だと言えて、むしろその顔立ちが下手な女子より美麗と言える。
でも、何よりも目を引いたのは長い睫毛に覆われた双眸。
表情は無機質に感じるのにその双眸だけは鋭いと言えるような緑の眼光を放っていて・・・思わず見惚れた。