うそつき 2
むぅ、なんだかよくわかんないけど、唯兎くんに八つ当たりしたい気分。



「あの、果乃ちゃん、だよね?」



すると突然、声をかけてくれた子がいた。



夏だというのに黒タイツのこの子は…。




「さ、佐々倉先輩」



「私もご飯、一緒して、良いかな?」



そう言って首をかしげるものだから、いそいそと場所を空ける。



ど、うして、ご飯なんか…。



私と話すことなんて…ないよね?




「さっきの勝負、久しぶりに本気出した。ありがとう、楽しかったよ」



可愛い先輩は性格もいいらしくて、もうなんだか、勝てるところがない。



先輩とか言いつつ同い年だけど。




「そ、それはどうもありがとう、ございます」




突然の来訪、かつ突然の質問に少しだけ吃りながらも、なんとなく返事をする。



ほんとに、どうしたんだろ…。



こんな感じなら友達も多いだろうし、ひとりぼっちになんてならないはず、なのに…。
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