枯れる事を知らない夢
それから俺は小山っち家まで送って貰うも聞くのが怖くて黙っていた。"身体なにもないといいな"とか呑気なことをいい始めるがきっと小山っちの気遣いなのかもしれないな。俺は家まで送ってもらい降りる際に"壊れたりしないよな?"と聞くと小山っちは少し驚いてたけど優しく"あの子は強い"って言っていた。俺は少し安心して静かに家に入る。
家に入るとシーンと静けさだけがある寂しい家だ。美華ちゃんの家はあんなに暖かったのにこの家は少し…いや、結構冷える。無駄に広いだけあって寒すぎる。自分の部屋に向かっていると父親と鉢合わせて足を止める。
「夜遊びか」
「…」
「やはり高校を変えるべきではなかったな」
「…っ」
「今からでも遅くない。明記に戻りなさい」
「…おやすみなさい」
「斗真!」
俺は父親の話を無視して自分の部屋に逃げ込む。こんなちっぽけな事ですら逃げてしまう俺に美華ちゃんはきっと嘲笑うんだろうな。情けないって思うに決まってる。俺じゃない誰かがそうであるのなら俺も嘲笑うに決まってる。俺は一体どうすればいいのだろうか。自分の事しか考えない親の尻にしれて俺は幸せになれるのだろうか…。
次の日学校に行くも美華ちゃんがいないだけでこうもつまんないなんて。小山っちの顔を見たってため息しかでねーし。寝た振りこいていると小山っちに教科書で叩かれて起こされる。うわぁ…暴力反対だ。
"ゴミがいないから綺麗だな"
こいつら相変わらず美華ちゃんに対しての言いよう酷くね?ゴミはお前らだろうがよ。小山っちも気に食わなかったのか…遠回しにみんなを馬鹿にしていた。
「みんな半地がいないと寂しいのか」
「美華ちゃん大丈夫かなー?」
さすが小山っち。面白いね。俺も話にのってやるとみんなの醜い顔がもっと醜くなり俺は顔を伏せて笑いをこらえる。小山っちが何事もなく授業を進めている事にみんな不満を抱えていた。いや、普通気づくだろ馬鹿にしてんの。こいつらはそんな考える脳みそもないのかよ。
4時間目俺はサボり屋上に行くと小山っちがタバコを吸っていた。この人の微かにするタバコの匂いはここで吸ってたのかよ。
「教師が学校でタバコすか」
「授業中だろ」
「サボりっすよ」
「転校生が早々サボりかよ」
小山っちは特に気にすることなくタバコを吸っていた。俺は地べたに寝そべり目を瞑る。
「お前なんでここに来たんだよ」
「通うの面倒だから」
「嘘が通用するとでも?」
「ですよねー」
「で、なんでだよ」
「…反抗すよ」
「ガキかよ」
「悪いっすか?」
別に幼児に思われようと俺は構わない。俺だけがわかっていればいいんだ。小山っち特に探ることなくタバコを吸う。この人ってなんで教師になんかなったんだろうか。噂で小山っち明記出身って聞いた。そんな人がなんでこんなところで教師してんのかな。明記ならもっといい就職先あんのによ。そんなに教師になりたい理由でもあったのかよ。
「そろそろ教えてくれよ」
「何をだよ」
「小山っちと、美華ちゃんの関係」
「知ってどうする」
「好きなこの事知りたいって思うの普通だろ」
「…っ」
この人絶対美華ちゃんのに密かに想いを寄せてるよな。隠してるぽいけど好きな相手が一緒ならバレないはずがないだろ。ま…教師ならばそんな簡単にさらけ出す訳には行かないんだろうけどな。けど、どーゆ関係かは聞く権利はあるよな。
「ただの美華ちゃんの兄のダチだよ」
「へぇーそれだけであんな大事にすんの?」
「兄が大事にしてた妹だから」
「過去形っすね?」
「…死んだんだよ。美華ちゃんの兄は」
「え…っ」
「2年前に…ガンでな」
「…っ」
「美華ちゃんがあーなった原因だ」
まさか…そこまで重い話だとは思わず俺は言葉を失われる。美華ちゃんがあーなった原因がお兄さんが亡くなったから。そんなにお兄さんの存在が大きかったんだよな。小山っちは話してくれるけど全然頭に入ってこない。俺には絶対に受け入れられない現実を美華ちゃんは受け入れている。だからあんなになったんだ。
美華ちゃんって本当に強い子なんだね。
なんか…俺の悩みが小さすぎて情けないや。
でも、ますます美華ちゃんをもっと知りたくなっちゃったじゃんか…。美華ちゃんは俺が守るよ。必ず何があってもね。
放課後、小山っちが俺を車に乗せて美華ちゃんの家に連れてってくれた。車を降りると部屋のベランダから美華ちゃんが見ていて俺は今日はじめて会った嬉しさに手を振り大声をあげると小山っちに頭を叩かれる"近所迷惑だ"と言われてしょぼくれていると美華ちゃんが玄関から出てきて招き入れてくれた。お母さんも出てきて夕食を出してくれるらしく頂く事になり美華ちゃんの部屋で待つ事になった。すごく可愛らしい落ち着いた部屋だった。
美華ちゃんに小山っちから聞いたと言うと申し訳なさそうな顔で昔の話を語ってくれた。どれだけお兄さんが大好きだったのかがお兄さんも凄く美華ちゃんを大事にしていたのかが伝わる話だった。そして暖かい家庭なのも伝わった。
俺も暖かい家庭に育っていたのならばこんなに汚い感情を持つことなんてなかったのに。
しばらくして美華ちゃんのお母さんに呼ばれてリビングに行くと美華ちゃんのお父さんがいて小山っち挨拶をすると二人で懐かしがんで話をしていた。俺には全くわからない話だ。すると小山っち俺をからかいはじめてきた。俺もやり返していると"犬と猫だね"なんて言葉が聞こえてきたけれども気にすることなく小山っちをいじる。
あっという間に時間は過ぎていて俺は小山っちに家まで送ってもらう。はじめてあんなに暖かい食事を食べた気がする。いつも一人か両親がいても静寂な中で食べていた。あんなに騒いで食事なんてはじめてだ。素直に…楽しかった。
俺は嬉しい気分のまま家に入って部屋に行く通じるリビングに入ると両親が頭を抱えていた。
俺を見るなり絶望した顔をしていた。
「また夜遊びか」
「やっぱりあんな高校行かせなければ良かったわ。勉強もろくにしないで夜遊びなんて」
「…っ」
「来週明記に戻る手続きをしよう」
「っ!?…ちょっ待って…」
「お前が落ちこぼれなんて俺達が恥ずかしいお思いをするんだぞ。」
「…」
俺はなにも言い返せず部屋に逃げ込む。また逃げてしまった。どうしよう…明記にもどされたまたあの苦痛の毎日に襲われる。いまの学校が…美華ちゃんがいて小山っちがいるあのクソみたいな生徒と教師しかいないあの学校楽しいって思いはじめていたのに…なんでだよ。少しの夜遊びがそんなにいけないのか?勉強少しサボっただけじゃんかよ。なんでわかってくんねんだよ。
結局俺は親の尻に敷かれるしかないんだ。
美華ちゃんにとって俺の悩みなんてちっぽけな事でしかないけれども…俺にとってちっぽけが苦しいんだよ…助けてよ。誰か。
家に入るとシーンと静けさだけがある寂しい家だ。美華ちゃんの家はあんなに暖かったのにこの家は少し…いや、結構冷える。無駄に広いだけあって寒すぎる。自分の部屋に向かっていると父親と鉢合わせて足を止める。
「夜遊びか」
「…」
「やはり高校を変えるべきではなかったな」
「…っ」
「今からでも遅くない。明記に戻りなさい」
「…おやすみなさい」
「斗真!」
俺は父親の話を無視して自分の部屋に逃げ込む。こんなちっぽけな事ですら逃げてしまう俺に美華ちゃんはきっと嘲笑うんだろうな。情けないって思うに決まってる。俺じゃない誰かがそうであるのなら俺も嘲笑うに決まってる。俺は一体どうすればいいのだろうか。自分の事しか考えない親の尻にしれて俺は幸せになれるのだろうか…。
次の日学校に行くも美華ちゃんがいないだけでこうもつまんないなんて。小山っちの顔を見たってため息しかでねーし。寝た振りこいていると小山っちに教科書で叩かれて起こされる。うわぁ…暴力反対だ。
"ゴミがいないから綺麗だな"
こいつら相変わらず美華ちゃんに対しての言いよう酷くね?ゴミはお前らだろうがよ。小山っちも気に食わなかったのか…遠回しにみんなを馬鹿にしていた。
「みんな半地がいないと寂しいのか」
「美華ちゃん大丈夫かなー?」
さすが小山っち。面白いね。俺も話にのってやるとみんなの醜い顔がもっと醜くなり俺は顔を伏せて笑いをこらえる。小山っちが何事もなく授業を進めている事にみんな不満を抱えていた。いや、普通気づくだろ馬鹿にしてんの。こいつらはそんな考える脳みそもないのかよ。
4時間目俺はサボり屋上に行くと小山っちがタバコを吸っていた。この人の微かにするタバコの匂いはここで吸ってたのかよ。
「教師が学校でタバコすか」
「授業中だろ」
「サボりっすよ」
「転校生が早々サボりかよ」
小山っちは特に気にすることなくタバコを吸っていた。俺は地べたに寝そべり目を瞑る。
「お前なんでここに来たんだよ」
「通うの面倒だから」
「嘘が通用するとでも?」
「ですよねー」
「で、なんでだよ」
「…反抗すよ」
「ガキかよ」
「悪いっすか?」
別に幼児に思われようと俺は構わない。俺だけがわかっていればいいんだ。小山っち特に探ることなくタバコを吸う。この人ってなんで教師になんかなったんだろうか。噂で小山っち明記出身って聞いた。そんな人がなんでこんなところで教師してんのかな。明記ならもっといい就職先あんのによ。そんなに教師になりたい理由でもあったのかよ。
「そろそろ教えてくれよ」
「何をだよ」
「小山っちと、美華ちゃんの関係」
「知ってどうする」
「好きなこの事知りたいって思うの普通だろ」
「…っ」
この人絶対美華ちゃんのに密かに想いを寄せてるよな。隠してるぽいけど好きな相手が一緒ならバレないはずがないだろ。ま…教師ならばそんな簡単にさらけ出す訳には行かないんだろうけどな。けど、どーゆ関係かは聞く権利はあるよな。
「ただの美華ちゃんの兄のダチだよ」
「へぇーそれだけであんな大事にすんの?」
「兄が大事にしてた妹だから」
「過去形っすね?」
「…死んだんだよ。美華ちゃんの兄は」
「え…っ」
「2年前に…ガンでな」
「…っ」
「美華ちゃんがあーなった原因だ」
まさか…そこまで重い話だとは思わず俺は言葉を失われる。美華ちゃんがあーなった原因がお兄さんが亡くなったから。そんなにお兄さんの存在が大きかったんだよな。小山っちは話してくれるけど全然頭に入ってこない。俺には絶対に受け入れられない現実を美華ちゃんは受け入れている。だからあんなになったんだ。
美華ちゃんって本当に強い子なんだね。
なんか…俺の悩みが小さすぎて情けないや。
でも、ますます美華ちゃんをもっと知りたくなっちゃったじゃんか…。美華ちゃんは俺が守るよ。必ず何があってもね。
放課後、小山っちが俺を車に乗せて美華ちゃんの家に連れてってくれた。車を降りると部屋のベランダから美華ちゃんが見ていて俺は今日はじめて会った嬉しさに手を振り大声をあげると小山っちに頭を叩かれる"近所迷惑だ"と言われてしょぼくれていると美華ちゃんが玄関から出てきて招き入れてくれた。お母さんも出てきて夕食を出してくれるらしく頂く事になり美華ちゃんの部屋で待つ事になった。すごく可愛らしい落ち着いた部屋だった。
美華ちゃんに小山っちから聞いたと言うと申し訳なさそうな顔で昔の話を語ってくれた。どれだけお兄さんが大好きだったのかがお兄さんも凄く美華ちゃんを大事にしていたのかが伝わる話だった。そして暖かい家庭なのも伝わった。
俺も暖かい家庭に育っていたのならばこんなに汚い感情を持つことなんてなかったのに。
しばらくして美華ちゃんのお母さんに呼ばれてリビングに行くと美華ちゃんのお父さんがいて小山っち挨拶をすると二人で懐かしがんで話をしていた。俺には全くわからない話だ。すると小山っち俺をからかいはじめてきた。俺もやり返していると"犬と猫だね"なんて言葉が聞こえてきたけれども気にすることなく小山っちをいじる。
あっという間に時間は過ぎていて俺は小山っちに家まで送ってもらう。はじめてあんなに暖かい食事を食べた気がする。いつも一人か両親がいても静寂な中で食べていた。あんなに騒いで食事なんてはじめてだ。素直に…楽しかった。
俺は嬉しい気分のまま家に入って部屋に行く通じるリビングに入ると両親が頭を抱えていた。
俺を見るなり絶望した顔をしていた。
「また夜遊びか」
「やっぱりあんな高校行かせなければ良かったわ。勉強もろくにしないで夜遊びなんて」
「…っ」
「来週明記に戻る手続きをしよう」
「っ!?…ちょっ待って…」
「お前が落ちこぼれなんて俺達が恥ずかしいお思いをするんだぞ。」
「…」
俺はなにも言い返せず部屋に逃げ込む。また逃げてしまった。どうしよう…明記にもどされたまたあの苦痛の毎日に襲われる。いまの学校が…美華ちゃんがいて小山っちがいるあのクソみたいな生徒と教師しかいないあの学校楽しいって思いはじめていたのに…なんでだよ。少しの夜遊びがそんなにいけないのか?勉強少しサボっただけじゃんかよ。なんでわかってくんねんだよ。
結局俺は親の尻に敷かれるしかないんだ。
美華ちゃんにとって俺の悩みなんてちっぽけな事でしかないけれども…俺にとってちっぽけが苦しいんだよ…助けてよ。誰か。