このチャラ男一途につき…




指先は正体を暴いて捕まえる様に乱暴にネクタイを掴んで引き寄せて、恋する眼差しとは程遠い冷めた視線で偽物の姿を詰るのだ。

「【吐季さん】やめろ、ウザい」

「フハッ…惚れてた癖に」

惚れてたよ。

惚れてたけど。

「もっと良い男に口説かれて惚れ込んだんだよ」

「………へえ」

「それに、馬鹿じゃない?」

「何が?」

「後戻りさせないように踏み込んで踏み込ませるんじゃん」

「……巴、」

「……」

「くっそ好き」

「知ってるよど変態」

唇を重ねたのは自分から。

『くっそ好き』だと言い返す代わりに口づければ、当然酔っ払いのヤジやどよめきは飛んだけれどどうでもいい。

口づけたと言っても本当に言葉の代わりに押し重ねた一瞬の物でで。

でも、どうやらそんな光景を先程の可愛らしい店員の子も目の当たりにしたらしい。

驚愕の表情に優越を感じる自分は性格が悪いと思いつつも悲観しない。

だって、そんな俺でさえ…

「フフッ、巴ってばだいたーん」

「フンッ、酔っ払いのおふざけみたいなもんだろ。それに、どの口が言うんだふざけんな。お前のおかげでリアルBLが見れる店って噂が広まってんだぞバイト先」

「マジか!あはははは!!」

「笑うか」

「じゃあ、心は籠らないけど一応謝った方がいい?」

「いや、おかげで客割増の大繁盛の売り上げ貢献ありがとうって感じだから」

「どこまで男前だよ。マジ惚れ直すわ」

吐季は可愛いって言うのは目に見えてるんだ。





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