羊だって、変るんです。
『はぁ~~~間に合った』

始業30分前に出かけたが、人の波に逆らって歩くのは時間がかかる。

更に店内も昼食を買う客が思いの他多く、戻ると3分前だった。

「何?買出し?珍しいな」

「ちょっと昼ごはんを買いに・・・」

ドサリと大量に買った昼食の入った大きな紙袋を机に置く。

「昼は社内で食べるのか」

ニヤニヤと紙袋と杏奈の顔を交互に見ながら鈴木が聞いてくるが、暗に「取締役との昼食は社内か」と言っているのだ。

「それって、セクハラだぞ」

山葉が横から口を出す。

「えぇぇぇ。俺がアドバイスしたお陰で上手く行ってるんだろ?ちょっと位いいじゃん」

始業時間になり、やっと解放されてホッと一息ついてから、紙袋を足元の籠に入れた。
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