羊だって、変るんです。
「ここは入り口が二箇所あって、こっちは個室用」

席について二人きりになると、店の説明をしてくれた。

「もう一方は?」

「普通の小料理屋?カウンターとテーブル席が幾つか有るんだ」

「変った作りですね」

「昔からみたいだ」

言われて室内を見ると、年代を感じさせる柱や襖の絵に明り欄間の装飾も美しい。

ぼんやりと室内の装飾を眺めていると、料理が運ばれて来た。

「本当は時間を見計らって持ってくるんですけど、今日は出入りが無い方が良いそうなんで、美味しいタイミングでお出し出来なくてすみません」

「いえ!こちらこそ、ご無理を言って貰ったみたいですみません!」

今日子が頭を下げるのを見て、慌てて更に頭を下げて謝る。
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