羊だって、変るんです。
「で、緊張して気を失ったと?」

情けない話だが、ココが一番重要なので、恥を忍んで話した。

「はい。」

叱られた犬のようにうな垂れて、しょぼんとした杏奈を見ながら、山葉はため息をついた。

「抱きしめられた位で気を失うようなら、それ以上は進めないだろう」

「でも、何とか先に進みたいんです。これ以上凱を待たせる訳には行かないんです」

「取締役は、小鳥遊のペースでって言ってくれたんだろ?」

「そうなんですが、今のペースだと何時・・その・・最終地点に到着できるか・・・全く予測が付かなくて」

言葉を濁しながら、何とか自分の言いたい事を伝えた杏奈は、顔から火が出る程熱かった。

「そうは言ってもなぁ・・・そうだ、こういうのはどうだ」

少し考えた後、説明を始める。
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