狼に食べられた如来様。
「あなたのような邪念の塊を好きになんてなるはずありません。仮に好きになったとしてもそのときは私の人生最大の過ちです」

フッ。言ってやったわ。
言い過ぎかもしれないけれど、少しくらい分かってもらわないと。

心の中で鼻で笑ってやった私は、優越感に浸っていた。
すると、

「...へぇ。じゃあ、分かった」

得意気にニヤリと笑うと、そばに来て、言う。

「俺のこと、好きにさせてやるよ」






......今思えば、このとき、火を付けてしまったのかもしれない。


狼男の、本気に。



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