読めない彼の愛し方
2




3ヶ月が経った。

あれから諒からの連絡はなく、
諒の家の鍵はポストに入れて返した。

それからはひたすら働いた。
忙しいほうが気は紛れる。


まだまだ彼のことは思い出してしまうけれど
一人にも少しは慣れた。




今日は佳乃と飲みに行く。
あれから佳乃は
ずっと心配をして、
時々わたしのことを誘い出してくれる。

「「かんぱーーい!」」



実は佳乃には彼氏が出来た。
お相手はけんちゃん。


「けんちゃんとどうなの?」


「まあそれなりにやってるよ!」

とは言いながらもすごく嬉しそう。
見ているわたしが幸せな気持ちになる。



「そっかー、いいね!」

「そういうののかは?」

「わたしは何にもないよー!
当分いいんだ!」


「諒さんのことは?」

今まで気遣って聞いてこなかった佳乃。
久しぶりに耳にした言葉に
胸が震えた。

「…会ってないよ。
連絡も取ってない。」

ホッケの身をほぐしながら答える。

ああ、お酒のせいだろうか。

涙が止まらない。


バレないように下を向いたまま。

「…ののか。」






本当にダメダメだなぁ。
もう3ヶ月も会ってないのに
まだわたしの心には
彼の存在が大きく居る。








「…会いたいよ。」
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