読めない彼の愛し方



いきなり居酒屋の電気が消えて
店内のBGMが
好きな歌手のお誕生日ソングに変わった。


一緒に手拍子をしてると


店員さんが運ぶケーキがわたしの前に。


「ののか!お誕生日おめでとう!」

驚きながらもケーキのろうそくを
吹き消した。

そうだ、日付が変わって
今日はわたしの誕生日だ!

…忘れてた。

「…佳乃、ありがとう!」

ろうそくを消すとしばらくして
店内の電気がついた。


「お誕生日おめでとう。
ね!ののか!目つぶって!

ののかの幸せを一番願ってるよ。」

佳乃に言われるままに目を瞑る。

「佳乃、」

「だからもう逃げちゃダメ。」

佳乃の真剣な声に黙ってしまう。

「…」


「わたしからのプレゼントね。

ののか、もう目開けていいよ。」









何だ?

と静かに目を開けた。








「…諒。」
< 21 / 29 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop