陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】
「んー、それは駄目」
彼は困ったように首を傾げてからはっきり断った。さっきまでの強引に奪ってくるような態度とは違う。
「さすがにね、真紅。お前が男に免疫ないのはわかったけど、そういうこと簡単に言うのはやめな? 危ない」
「……あなた以外には言わないと思うよ?」
「………」
正直なことを言ったら、目をまん丸に見開いて顔を背けた。
「あ……の?」
「お前なー……」
低く唸るような声。だけれど、どこか朱を帯びた声音。
「あーもうダメ。絶対そっちへは行けない」