陽華の吸血鬼①【一人称修正ver.】【完】
隣を歩く黎明の吸血鬼。背が高いなあ……。私は平均身長だから、その顔を見ようとすれば大分見上げる形になる。
「……私、あなたに助けられた、んだよね……?」
「俺の名前わかるか?」
「……黎。黎明の、れい」
憶えていた。知り合いにはいない名前。眠る前に聞いた名前。この人のものだった。
もう一度呼んだ。「黎?」と。
「あたり。ちゃんとわかってるな」
「黎さん?」
「呼び捨てでいい」
黎明の吸血鬼――黎は続けて説明した。