美男子ガイド。


「へー、愛川サンって県外から来たんだ。なんか『みたことない顔だなー』って思ったんだよ」


体育館は、学校から少し離れたところにある。
都会の学校は、土地が狭いから(笑)。



「みたことないって…ジモトの中学出身のコの顔みんなわかるんですか?」



「あー…だいたいはね。奈知って有名だから周りにいるとけっこう覚えるよ(笑)。特に女子は」



「そっか。<女子は>なんですね(笑)。」



奈知ってそんなに有名だったんだ。高校入ってから落ち着いてんじゃん。

あ、モテなくなったってことか。



すると高島君が言った。

「もうそろそろじゃない?」



気付くと大きなグラウンドと、体育館が見えた。



「そうですね。奈知いるかなー」



「思い切って聞いちゃうけど……愛川サンって、奈知の彼女?」




「えっ?!そ、そんな訳ないじゃないですか!!!何でですか」

いきなりだったからあたしは焦った。


「えー、彼女じゃないんだ。じゃあ片思い?」



「それも違います!!!」


ゲームであいつをオトさなきゃいけないんです!!!………なんて言えないし。



「好きじゃないって訳か。そう。じゃあ別にいっか」


「へ?なんですか?」


「んー?何でもないよ」


高島君が何か言った気がしたけど、別にあたしは気にしなかった。そう、全く。





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