大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
「ん? アヤは嫌だったのか?」

そう問われて、返す言葉をなくす。

「さ、じゃあ、俺が着せてやる。」

そう言われて、私は焦る。

「いえ、結構です!
大王はあちらを向いててください!」

「くくっ」

笑う大王を背に私は急いで衣を身に纏った。

私は大王の前に立って言った。

「大王。
これは、私に意地悪をしたお仕置きです!」

私は大王の首に腕を回し、背伸びをして口づけた。

私が離れると、目を見開いた大王は、花が咲くように満面の笑みを零した。


その後、私たちは、仲良くおいしい朝餉をいただいた。
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