大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
だから、私は、すぐにも看病に行きたい衝動を我慢する。

大王は大丈夫…

きっと大丈夫…

そう心の中で念じながら。


早馬が来るようになって、5日目。

「大王は、未だ高熱ではありますが、吉備を
出立して香久山に向かわれました。」

と知らせが来た。


なんで!?

高熱なのに寒空の下、旅をするなんて。

私は心配で堪らない。



・:*:・:・:・:*:・

5日後。

女官が私の部屋へ走って来た。

「アヤ様!
大王がお帰りになられました!」
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