大王(おおきみ)に求愛された機織り娘
「私、自分で仕立ててみたいの。
仕立て方を教えていただけませんか?」

「っ!!
いえっ! そのような事!!」

針子は焦って頭を下げる。

「大王には、私からお願いしておくわ。
だから、お願い。
私に仕立て方を教えて。」

何度頼んでも、針子はうんとは言わない。

私は、痺れを切らして言った。

「じゃあ、直接大王にお願いに伺うわ。
大王はどちらにいらっしゃるの?」

「いえ、それは…」

針子はかわいそうな程、身を小さくしている。

はぁ………
そうよね。
この人が悪い訳ではないのよね。

「わがままを言って、ごめんなさい。
では、仕立てるのを少し待っていただける?
今夜にでも大王にお願いしてみるから。
ねっ?」

私が謝ると、針子は、さらに身を小さくして後ずさった。

「はい。
では、お仕立ては明日以降に致します。」
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