忘れられない君との夏。


「おっ、来たか夏目」


教室のドアを開けると、そこには嬉しそうにプリントを持つ秋谷先生がいた。


「…はよーございます。ていうかクーラーつけといてくださいよ」


私は唇を尖らせて自分の席に着く。


「1週間、俺だってお前につきあってやんだから真面目にやれー」


目の前にドサっと数学のプリントを置かれ、私は盛大なため息をつく。


「だって意味わかんないんだもん数学」


「お前なー、一応国公立志望だろ?それに数学以外はまともなんだから、こんだけ頑張んなさい」


頭にチョップをくらい、「いたっ」と大げさに声を上げる。


「体罰だあー!!」


「わー訴えられるー」


明らかな棒読みを聞いて、私はまたため息をついた。


ここまで来たら、やるしかないか…

< 6 / 88 >

この作品をシェア

pagetop