目を閉じたら、別れてください。

「……っ」

何で出るのよ、と理不尽なセリフを吐き出してしまいたいのを堪える。
くそう。出なかったらよかったのに。

「まどろっこしいのは私も性に合わない。今日は暇ですか」

『……』

無言で反応が分からない。だから表情が見えない電話って嫌い。
このまま反応がなかったら、今度こそここで関係を終わらせてやると思っていたのに。

返事ではなく、笑い声が聞こえてきた。
くくくっと押し殺すような笑い声だ。

『まあ、桃花ならそうなるよな。今日は接待だから何時になるか分からないんだけど、それでもいい?』
「かまわない、です。遅くなるってことは居酒屋かBARぐらいしか空いてなさそうだけど」
『……あー、俺が予約してたとこ聞いてみる。折り返し、店のURL送るから先に入っててもらえる?』
「了解」

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