難病が教えてくれたこと
「僕は…」
「叶夢ー、ボール取りに行こう」
叶夢が何かを言いかけた時、裕くんが叶夢を呼んだ。
「うん、今行くよ。」
叶夢は私の隣を通り過ぎて裕くんの元へ向かう。
「僕は…お母さんのことを忘れたことは…1度もないよ。」
私の隣を通る時にポツリと呟いた叶夢。
…そりゃあ自分を産んでくれた大切なお母さん、だもんね…
「叶夢…」
李那にそっくりな叶夢。
遺影の中の李那は22歳のまま。
それでも李那に似ている叶夢。
自分にそっくりな母親を見てきっと悲しんでる…
「…命日…か…」
李那の命日。
叶夢のように、私も、李那が近くにいてくれている気がする。
今だって、優しく微笑んでくれている気がするんだ。
「海澪!投げるよー」
「うん、行くね。」
蒼空は酔ったまま、ガター。
…うん、ただでさえスポーツほぼ苦手なのにボーリングが出来るわけないよね…
「んにゃあ〜…」
いやもう酔っぱらいだなコイツ。
「蒼空、休んどけ。」
裕くんが蒼空を連れて少し離れた場所のベンチへ向かう。
酔っ払いの介抱をしに行くんだろう…
裕くんはハンドルキーパーとしてお酒は飲んでない。
「…えっ…」
…お見事。
ストライクだよ…叶夢。
「叶夢、凄い…」
この運動神経…
流石裕くんと李那の子…
「…叶夢、野球とかでも出来そうだな…」
「あぁ、はい。
よく学校で頼まれます。
ヘルプでよくバッターやったりしてますよ。」
…李那みたいになってる…
陸上部なのに助っ人…
「お母さんは…僕に人生を楽しんで欲しい…
そうビデオで言っていたので…」
小学校入学の時のビデオかな…
「…だから、お母さんの意思とは関係なしに僕も楽しもうと思って、色々部活やってます。
お母さんの事を考えたい時は…空を見ています。
お母さんの顔が…浮かんでくるので…」
叶夢は比較的あまり話さない。
その叶夢がこんなに話すなんて…
命日だからなのかな。
「…お母さんが亡くなった…日に…大泣きしたのも、いい思い出です。
僕がお母さんのことを大好きだった証ですから。」
命日。
叶夢と裕くんにとっては私たちより大切な日だと思う。
「…今も、そばにお母さんがいてくれている気がします。」
叶夢は上を見上げて柔らかく微笑む。
その仕草は李那と全く同じだ…
「…李那…」
…しまった。つい…
「…海澪さんも。
お母さんのことが大好きだったんですね。」
叶夢は私を横目で見て、ボーリングを再開した。
…一つ一つの叶夢の仕草が…
全部李那に見える…
「叶夢ー、ボール取りに行こう」
叶夢が何かを言いかけた時、裕くんが叶夢を呼んだ。
「うん、今行くよ。」
叶夢は私の隣を通り過ぎて裕くんの元へ向かう。
「僕は…お母さんのことを忘れたことは…1度もないよ。」
私の隣を通る時にポツリと呟いた叶夢。
…そりゃあ自分を産んでくれた大切なお母さん、だもんね…
「叶夢…」
李那にそっくりな叶夢。
遺影の中の李那は22歳のまま。
それでも李那に似ている叶夢。
自分にそっくりな母親を見てきっと悲しんでる…
「…命日…か…」
李那の命日。
叶夢のように、私も、李那が近くにいてくれている気がする。
今だって、優しく微笑んでくれている気がするんだ。
「海澪!投げるよー」
「うん、行くね。」
蒼空は酔ったまま、ガター。
…うん、ただでさえスポーツほぼ苦手なのにボーリングが出来るわけないよね…
「んにゃあ〜…」
いやもう酔っぱらいだなコイツ。
「蒼空、休んどけ。」
裕くんが蒼空を連れて少し離れた場所のベンチへ向かう。
酔っ払いの介抱をしに行くんだろう…
裕くんはハンドルキーパーとしてお酒は飲んでない。
「…えっ…」
…お見事。
ストライクだよ…叶夢。
「叶夢、凄い…」
この運動神経…
流石裕くんと李那の子…
「…叶夢、野球とかでも出来そうだな…」
「あぁ、はい。
よく学校で頼まれます。
ヘルプでよくバッターやったりしてますよ。」
…李那みたいになってる…
陸上部なのに助っ人…
「お母さんは…僕に人生を楽しんで欲しい…
そうビデオで言っていたので…」
小学校入学の時のビデオかな…
「…だから、お母さんの意思とは関係なしに僕も楽しもうと思って、色々部活やってます。
お母さんの事を考えたい時は…空を見ています。
お母さんの顔が…浮かんでくるので…」
叶夢は比較的あまり話さない。
その叶夢がこんなに話すなんて…
命日だからなのかな。
「…お母さんが亡くなった…日に…大泣きしたのも、いい思い出です。
僕がお母さんのことを大好きだった証ですから。」
命日。
叶夢と裕くんにとっては私たちより大切な日だと思う。
「…今も、そばにお母さんがいてくれている気がします。」
叶夢は上を見上げて柔らかく微笑む。
その仕草は李那と全く同じだ…
「…李那…」
…しまった。つい…
「…海澪さんも。
お母さんのことが大好きだったんですね。」
叶夢は私を横目で見て、ボーリングを再開した。
…一つ一つの叶夢の仕草が…
全部李那に見える…