難病が教えてくれたこと
蒼空に対しても常に上からか、気分がいい時はやっとタメになるんだよねえ。
人によって態度変えるのはよくないと思うんだけど。
「私あいつのこと嫌い。
もし蒼空があいつと付き合ったりしたら蒼空と縁切る。」
「海澪、そこまで嫌いなのか?」
「大っ嫌い。超がつくほど。」
「わかった。じゃあ俺、あいつとは付き合わない。」
蒼空は海澪と目を合わせてはっきり言い切った。
「じゃあ蒼空、もし世莉香と付き合うようなことあれば私も縁切るからね。」
「え、李那まで?!」
そりゃそうでしょ。
だって私も世莉香のこと嫌いだし。
あの腹の事好きなやついるとか信じられねぇもん。
元カレさんには眼科に行くことをおすすめする。
「わかったよ…
付き合わねぇから、今後も仲良くしてくれよ…」
蒼空は困惑しきった顔で私と海澪に訴える。
「よし、じゃあジュース買ってきて。」
「…え…」
「許す代わりにジュース。」
「恐喝じゃねぇか…」
「あ゙?」
「すみませんいってきます。」
ぼそっと言った蒼空の言葉を耳のいい私が聞き逃すことは無い。
もちろん、そういうぼそっと言った言葉に対してかつてのヤンキーの私が出てこないわけがない。
「李那、もし蒼空が好きな人いいるって言ったらどうする?」
「ん?そうだなあ、応援する?」
「…私は応援したくない…」
…ん?もしかして海澪…
「…蒼空の事好きなの?」
「えっ!そんなことない!」
「そうかあ、すきなのかあ…」
「違うってば!」
一生懸命否定する海澪。
だけど、海澪の顔は真っ赤でこれが真実だと言っている。
「…いつから?」
「ほんと李那には嘘通じない。」
まあ、いつも天然そうって言われるけど、こう見えてけっこう鋭いからね私。
「…高校入ってすぐかな…
同じクラスだったじゃん?私たち3人。」
…言われてみれば…
海澪とは世莉香を通して仲良くなったけど、蒼空は…
なんかみんなと距離を置いてそうな、感じだった。
今思えばただの人見知りだったんだけどさ。
「隣の席でさ、私は筆箱忘れてきた時あって…」
「あ、あのテストの時か。」
「そう、覚えてたの?」
そりゃああの時からだもん、世莉香とも話し始めたの。
そこから世莉香を間に挟んで私と海澪が仲良くなったもんだから。
「…焦っていて困っていたところを蒼空がシャーペンと消しゴム貸してくれてさ。」
そこで惚れたと。
ベタなエピソードをありがとう。
「んでよくよく見たら顔めちゃくちゃ可愛いし?」
「それは私も最初見た時思った。」
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