難病が教えてくれたこと
一言で表すならただの豚。
デブ。
かな?
「…李那!海澪!どこいってたんだよー?!」
「ごめんごめん、井上さんに頼まれて用具を体育館に戻しに行ってた。」
「…納得。俺その間井上に捕まってたんだけど。」
…だろうなと思ったよ。
笑ってたけどね。
「え、好きなんじゃないの?蒼空のこと。」
「ねえな。」
即答かいな。
振られたな世莉香。おつかれ。
噂では世莉香の奴蒼空に振られたみたいなこと言われてたんだけど、あれ本当なのかな?
「ねえ蒼空」
「なんだよ。」
「世莉香に告られたの?」
「は?なんの事だ。」
まさかの、告られてないやつ。
「何よ、好きな子いるの?
初恋あるの?」
「初恋くらい俺にもあるわ!」
あら、あったんだ。
初耳。
蒼空やっぱりからかうの面白いな。
「そういう海澪はどうなんだよ!」
「え、私?!」
「当たり前だ!どうなんだよ、俺に言うくらいなんだからあるんだろ?」
「ふん、当たり前でしょ、このクソチビ。」
…クソチビ…
ツボった。
お腹痛くなってきたじゃん。
流石海澪だよ!
「おい、李那何笑ってるんだ。」
「え?…笑ってないよ…?」
「肩震わしてわらってんじゃねぇか!」
…だって笑い止まらないんだもん。
「でも多分世莉香、蒼空の事好きだと思うよ。」
「いやいや、それはねぇだろ。」
全否定するじゃん。
そんなに世莉香の事嫌いなのか?
まああの子のこと好きな人自体いないと思うけど。
中学時代に付き合ってたみたいだけど、その元カレさん、今外国にいるんだって。
連絡来てより戻そうとか言われてるらしいんだけど、どうしようかなあ〜って自慢してるの前聞いたことある。
大体あの人話しかけたら盛ってるからどこまで事実かなんて分からないけどねえ〜
「もしあの人に彼氏出来たらどうする?」
「それはないでしょ。」
蒼空じゃなくて海澪からのツッコミ。
流石です海澪さん。
「私あいつと同じ中学だけど、そんな浮いた話聞いたことないよ?」
あ、そっか。
海澪と世莉香同じ中学だったっけ。
「むしろ同性からも異性からも嫌われてたタイプだから。」
めちゃくちゃ嫌われるじゃん。
ざまあ。
人を見下してるからだよ。
「常に上から目線だし、すぐ自慢するし、なんでも自分が上じゃないと気が済まないタイプの人間。あれは。」
たしかに上から目線だね。
蒼空に対しては違う…こともないか。
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