難病が教えてくれたこと
「お母さん、おはよう。」
「おはよう、李那、美那。」
「お姉ちゃんに挨拶しに行こう。」
「うん」
私と美那はリビングの隣の和室に入る。
ーカララ…
私は仏壇の前へ、美那は斜め後ろに。
ーチーン…
暫く目を閉じて祈る。
…お姉ちゃん、おはよう。
今日も一日体が動くよう願っているので、見守っていてください。
「…お姉ちゃん…」
「ん、ご飯食べようか。」
私達はリビングに戻り、食卓に着いた。
「あ、今日のご飯はピザだ!」
ピザと言っても食パンにケチャップを塗ってピーマン、玉ねぎをスライスしたものとチーズを載せて焼くだけの簡単なもの。
流石に出前のピザを朝から食べてたら太る。
「美味し!」
「良かったわ〜」
お母さんは満面の笑顔で私達姉妹を見つめる。
時たま私の顔を見て悲しそうな顔をしてるのは見なかったことにしよう。
「ご馳走様でした。」
「お粗末様でした。」
私と美那は皿を洗いに台所に向かった。
「あ、お姉ちゃん、私洗うからいいよ。」
「そう?ありがとう。」
私は着替えに部屋に向かう。
高校はここから近い小中高1貫校、私立にした。
美那も同じ学校だ。
私立だからもちろん制服。
白のブラウスを着て、赤いネクタイを付ける。
スカートは赤いチェック。
ブレザーは黒色で襟のところに赤いラインが入ってる。
カーディガンは今来てないけど、よくある黄色っぽいやつで可愛いの。
初等部は紐のリボン、中等部はリボンタイ、高等部はネクタイと分かれてる。
男子はネクタイの色だ。
初等部は黒、中等部は紺、高等部は赤と分かれてる。
「…よっこいしょ…」
着替えるだけで体力消耗しちゃった。
学校持つかなこれ。
ーコンコン…
「お姉ちゃん?着替えた?」
「…うん、着替えたよ。」
「裕くんが迎えに来てるよ。」
「もう?」
時計を見るとあら大変。
いつも裕くんが迎えに来てくれる時間だった。
急いでカバンを持って階段を降りる。
ゼイゼイ言いながら玄関を飛び出す。
「…おっと…」
「あ、ごめん…」
「いいよ、李那、おはよう」
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