なりゆき皇妃の異世界後宮物語
 曙光と夜通し語らいながら、朱熹はずっとうっとりしながら曙光を見つめていた。


 曙光は相変わらず聞き上手で、笑顔が素敵で、男らしい雰囲気で、終始紳士的だった。


 あっという間に朝を迎えて、二日後にまた会いに来ると約束を交わした。


 朱熹は、また会えると思うだけで嬉しくて、なんだかそわそわと落ち着かなくなった。


 さっきまで会っていたのに、もう会いたくなっている。


(二日後までに餡餅を用意しなくては。でも一体、どうやって……?)


 約束したはいいけれど、朱熹はもう皇后の身。


 料理を作る必要もなければ、作る機会すらない。


 どうしよう……。


 朱熹は頭を抱えた。

< 116 / 303 >

この作品をシェア

pagetop