なりゆき皇妃の異世界後宮物語
「革胡を自分で作ってみたいなと思って、花梨の木を探していたんだよ」


「作れるんですか?」


「いや、作ったことないからやってみようと思って」


 素人がそんなに簡単に作れるものには見えないけど……と思いつつ、それは口に出さないでおいた。


 極めるタイプそうだから、意外と本格的なものが作れるかもしれない。


 陽蓮は起き上がり、服についた汚れを手で払った。


 見たところどこも怪我をしていなさそうである。


 安心した朱熹は、溜まっていた嫌味を吐き出した。


「天罰ですね」


「何の?」


 天罰と言われて陽蓮は不服そうな顔を見せる。
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