なりゆき皇妃の異世界後宮物語
「口説き落とそうなんてしなくても、もう落ちております」


 曙光はとても驚いた顔をして固まった。


「どうして気付かないのですか? 鈍感にも程があります」


 朱熹は気持ちを伝えたことが照れくさくて、自分を棚に上げて言った。


『鈍感なのはお互い様だろう』


「心の声が聴こえておりますよ」


 二人は見つめ合って、ぷっと笑いを噴き出した。


 そして曙光はこれまでの思いをぶつけるように、力強く朱熹を抱きしめた。


「国一番の夫婦となろう」


「はい」


「後世に比翼連理といわれるような」


「はい」


「子供もたくさん作ろう」


 曙光は馬鹿真面目に言った。


 朱熹は少し照れくさくなりながらも、笑って答える。


「はい」


 二人は微笑み合った。


「愛している」


「私もです」





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