働く若輩ですが、叫ばせてくれ!
朝5時頃のことです。
卓上に置いた携帯がけたたましく鳴り響きました。通知はバイト先で、眉間に皺がよるのがわかりました。

「おはようございます。山田です」

『おはよう、悪いんやけど、今日バイトはいれる?』

「無理です」

店長の問いかけに寝起きの掠れた声で、即答すると、店長は何やらバイト同士の協力やら店を回すためやらと理由を並べ始めました。

しかしながら時間は朝5時頃、非常識な時間帯ですし、そもそも入れない日だからシフトを出すときに申告していたにもかかわらず『はいれる?』です。ふざけているのでしょうか。

「今日は学校の研修で帰宅が遅くなるので入れないんです。すみませんが、学校に行く準備をするので失礼します」

苛立った私は店長長々と続く話を遮るように強い口調で言い、まだ何かを言おうとすることも気にせず通話を切りました。

さて、皆様よく考えてください。いっぱしのバイトに必要以上に出勤を求める正社員。この非正規雇用に頼りきっているにもかかわらず、都道府県の最低賃金で正社員と同等の仕事を要求する会社側……

寝起きが悪い私は、朝食を作りながらイライラと不服を申し立てていました。

「ざっけんなよ!何時だと思ってんだよ!社会人のくせに社会から何学んでんだ!非常識だろ!こちとら研修だ!学生に学業よりバイト優先しろとか馬鹿かよ⁉︎馬鹿だよ!」

この日の朝食のスープの具財はほぼみじん切りになってしまいました。朝から出来るストレス発散を知りたいと切実に思ったのを今でもよく覚えています。
< 5 / 7 >

この作品をシェア

pagetop