君はアイドル


あの告白以来、やはり彼が忙しくてなかなか会えず、やっと今日1カ月ぶりに会った。


ホテルで落ち合ったのだが、彼は着いた瞬間私を抱きしめてきた。


「……手、治ったの?」

「……治った。」


耳元で聞こえる声にドキドキしてしまう。
意識しているのは私の方?


「すっげ会いたかった。
やっとこの日が来たー。」


そう言ってヒョイと私をお姫様抱っこしてベッドへ運ぶ彼に、思わず可愛げなく暴れる。


「わーーーーっ!?
ちょっとちょっと待って!
しないって言ったでしょ?!!」

上に覆いかぶさり、ムッとした顔で何で?と言う彼。


「友達からって言ってたじゃん…!」


「…友達じゃねーじゃん。
あんだけキスして。」

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