君はアイドル
いそいそとスーパーで買い物を済ませてマンションにパパラッチを警戒しながら戻ると、またマスクをした女の子が入り口に立ってキョロキョロしていた。
また基君のファン?
一緒に入って来られたらまずいよなぁ…どうしよう。
すると、女の子が電話をしだしたのでチャンス!とそそくさと入ろうとすると、その女の子もぴったり後ろに着いてきた。
思わず振り返り、制止した。
「待って、あなたここの住人じゃないよね?
何の用があって入ってきたのかな?」
マスクから覗く大きな目が私を見る。
「ここの住人に用があるんだけど、今いないって言うから。」
「……どなたのお知り合い?」
「………何で言わなきゃいけないの?」