ビターなキミと甘い恋を。
可愛い店内を一周したところで、“予約席”の札が置いてある席に案内された。



「じゃあ、ここへどうぞ。ゆっくりしてってね」



優しく私たちに微笑み、秋利さんは調理場の方へと去っていった。




「さぁ、璃鈴。羚都との話を聞かせなさい」



「え〜、また羚くんの話?なんにもないのに!」




最近愛夢ちゃんと女子トークをする度、尋ねられるのは羚くんの話。



羚くんはいつも通り私に冷たくて、私にだけ意地悪をする。




なのに、愛夢ちゃんは詳しく聞いてくる。




『今日羚都と何かあった?』とか、『羚都となに話してたの?』『羚都と進展あった?』などなど。



進展もなにも、羚くんと付き合うつもりはない。




それは羚くんも同じはずだもん。




「でもさー、なにか1つくらいはあるよね?」



ニヤリと笑って、詮索してくる愛夢ちゃん。



「ほんとに何もないもん!本当だよ?」



「ええー、信じられないけどな〜。」




そう言って、お店のメニューを開けた愛夢ちゃん。



私の意見スルーなの!?




愛夢ちゃん、羚くんに似てる。
2人とも私に意地悪だ。
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