ビターなキミと甘い恋を。
愛夢ちゃんに促され、私たちは店内へと入った。



やっぱり店内も混雑していて、ガヤガヤとしていた。



キョロキョロしている私の腕を引いて、店の奥へと進む愛夢ちゃん。




す、すごっ。初めて来たお店なのに！




と、愛夢ちゃんの足が止まって、前を向いたら優しい表情をした男の人が立っていた。




「璃鈴、この人が私のママのお友達の秋利(あきと)さん。私はおじさんって呼んでるから、璃鈴の呼びやすいように呼んだらいいよ」



愛夢ちゃんにそう言われ、私は秋利さんと呼ぶことにした。



「はっ、はじめまして。愛夢ちゃんのお友達の葉月璃鈴ですっ」



「璃鈴ちゃんね！そんなに俯かなくてもいいよ！僕の前では楽〜にしてたらいいからね！」



「あっ、ありがとうございます」




ダメだ。思わず俯いてしまっていた。




人見知りだから、知らない人の前になったら下を向いてしまうのが私の悪い癖なんだ。




でも、秋利さんは接しやすい態度で話しかけてくれたので、楽に話せそうだ。




「じゃあおじさん、お店を案内してくれる？」



「はいよー」




まるで、秋利さんが年下かのように愛夢ちゃんは秋利さんを従えた。
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