ビターなキミと甘い恋を。
その後も、愛夢ちゃんとたくさん話をした。
滝田くんの面白い話や、クラスの担任の話、1年で一番可愛い子は誰か、などなど。
話題は尽きることなく、たくさん話すことが出来た。
いつの間にか、窓の外がオレンジ色に染まっていることに気づいた私たちは、店長である秋利さんにあいさつをして、カフェを出た。
「いやぁ〜、今日も楽しかったね〜!」
「うん!すごく楽しかった!愛夢ちゃんといっぱい話せて嬉しい!」
私が素直な気持ちを言うと、愛夢ちゃんは歩く足を止めて顔を隠した。
「愛夢ちゃん?どうしたの?泣いてるの?」
「なんで私が急に泣かないといけないのよっ」
愛夢ちゃんは顔を隠しながらそう言った。
...........あ、見えちゃった。
顔を隠している手の隙間から、愛夢ちゃんの顔が赤くなっていることに気づいた。
「愛夢ちゃん!顔赤いよ?」
「は!?ちっ、違うから!」
愛夢ちゃんは急に歩き出して、スクールバッグを背負い直した。
すぐに追いついたけど、愛夢ちゃんは早歩き。
「もう璃鈴なんか知らない!」
「え!なんでよ!」
私は駅のホームで何回も謝り、愛夢ちゃんに許してもらった。
その日は笑顔で帰路に着いた。
愛夢ちゃんに「ニヤけるな」って言われたけど。
