ビターなキミと甘い恋を。
てな感じで、制服のバリエーションは豊富なんだけど。このご本人の顔がね。
だから、私の毎日の制服はいつもワンパターン。
鏡の前でリボンの位置を整えて、ピシッと背を伸ばして確認。
────よし。
足元に置いていたスクールバッグを手に取り、部屋から飛び出した。
私の家は、1階がお店で、2階が住居となっているの。
1階に降りて、階段のすぐ近くにある水色のドアを開けると、ケーキの甘い香りがする。
この香りをずっと知っているから、とても落ち着く。
「おっ、璃鈴制服似合ってるね〜」
「ちょっと、お父さんそれ毎日聞いてるんだけど〜」
「そうか?」
と言いつつも、このやり取りも入学してからずっとしてるんだけど。