夜。〜キャバ嬢の恋〜

 最後の出勤の日

 最後だからって言って、イベントなんてしない。いつもどおりの早上がりで、私のキャバ嬢生活は終わった。
 
 華々しくイベントして、お客さんと涙を流すなんて、感動的なラスト・・・みみさんみたいなラストとは、正反対だった。
 まだ営業を続けている店の裏で、ロッカーの中身を紙袋につめる。
 
 いつも酔っぱらって帰るから、いろんなものがロッカーに詰め込まれていた。


 変わったライター。
 イベントのときの小物。
 同業者の名刺。
 予備のハンカチ

 
 手当たり次第に詰め込む。もう使わないから・・・
 それに、丁寧につめてたら、いろんなことを思い出して、泣けてきちゃう。




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