夜。〜キャバ嬢の恋〜

転機


 なおが死んで、オレはボーイの仕事をしてはいけない人間だと思った。
 ・・・むしろ、他人とかかわってはいけない存在なのかとも、思った。

 しばらくは日払いの仕事や派遣の仕事で食いぶちを稼ぎ、たいして強くもない酒を毎日飲んだ。
 家を失い、寝泊まりするのはネットカフェ。
 街で知り合った女の家に転がり込むことは簡単だが、なおのことがあってから、オレは人とかかわるのが怖くなった。

 どのくらい、そんな生活をしていただろうか。
 
 ついにオレは、血を吐いて倒れたらしい。

 居酒屋で飲んでいたまでしか記憶はない。気が付いたら病院にいた。


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