亘さんは世渡り上手


予想通り、三好先輩は俺に目を向ける。



「……あ、もしかして、二人も写真撮りに行く人? 実は僕もなんだ。だから、一緒に行ってもいい?」



……三好先輩の方が、一枚上手だった。


確かに三好先輩、イケメンだし。自然な茶髪に、爽やかな笑顔。身長は俺よりも高くて、少し見上げてしまうくらい。ミスターコンに出ても何もおかしくない。


これは、断る理由も思い付かなかった。



「じゃ、私も一緒に行こっかなー」



そこへ、谷口が髪を指に巻き付けながら我が物顔で俺と亘さんの間に入ってくる。


あ、そっか、後ろにみんないたんだ。



「赤信号、みんなで渡れば怖くない」



八木がよくわからない言葉を発しながら谷口を追ってくる。


二人はぴったりと亘さんの左右に付いて、三好先輩のことを見上げた。



「こんな男にうつつを抜かしたら許さないよ」


「……わかってます」



亘さんと谷口が何かを耳打ちしあっている。


それを見て三好先輩は余裕の笑みだ。



「素敵な友達に恵まれてるんだね、亘ちゃん」



思い切り目が合う。


嫌な予感を感じながら、今は谷口の頼もしさに甘えるしかなかった。

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