愛を私の音色に乗せて。



「…あ、ここはこういう書き方の方が良いよ」

「はぁ、なるほど…」

着々と歌詞が英訳されていく。

「先生、ここってもうちょっと短く言い回し出来たりしますか…?」

「短く?」

こんな変な要望も聞いてもらっている。
音楽ができてしまっているから、なるべく発音を日本詩に合わせ

「伊藤って本当に英語できなかったんだね。他の成績いいみたいなのに。」

…それは言わないで先生。

「英語だけは私の頭で処理不能なんです。」

「でも定期テストは点数取れてるじゃん?」

「それは丸覚えしてます。記憶力だけはいいので…」

「ふ〜ん、そっか。てかこれなんの文章なの?
外国人に恋文でも出すつもり?」

文がめちゃめちゃ良いこと書いてるんだけど。なんて嬉しいこと言われるけど、

「…いや、これは何というか、」

「聞かない方が良いこと?」

「はい!その通りですさすが先生分かって…」

「そう言われると余計気になるから聞く」

ないね。

「先生そこは聞かずに引き下がるべきです」

「俺そんなに優しくないし〜」


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