愛を私の音色に乗せて。



「やったぁ終わっった!」

長かったテストがようやく終わった。
よく頑張った私。うん。

しばらくは英語と向き合いたくないな…

よし、今日は色々することがあるし早く帰ろ!

「紫音、帰ろー」

準備を始めてすぐ、ちぃ君が迎えに来てくれた。

「あ、ちょっと待ってね!」

いつも思うんだけど、チャイムが鳴ってからちぃ君が来るスピードってすっごい早いのね?
いつ準備してるんだろう…

「お待たせっ」

「ん、行こ」

もう手を繋いで歩くのも恥ずかしくない。
こうして一緒に帰る時間って無限じゃないから大切しないとね。

そういえば…

「ちぃ君って、大学どこ行くの?」

高3だもんね、もう決めてるのかな?

「大学?俺は優銘大学だよ」

「優銘…?!めちゃくちゃ頭いいとこじゃん!?」

凄いね…さすがちぃ君。

「そんな事ないよ。
それに、紫音の頭なら入れると思うけどな」

「む、ムリムリムリ…」

そんな賢いところ、絶対に行けない…

「なーんだ残念。同じとこ入ってくれたらまた3年間一緒に通えると思ったのにな〜」

「あ…」

確かに…もう少しで同じ学校じゃなくなるんだもんね
それはさみしいなぁ。

一緒に登下校して、一緒に学校にいたい。

「…私でも大丈夫かな、」

「大丈夫だよ。絶対」

「…一緒のとこ行きたい。頑張ってみる。」

恋の力があればなんとか乗り越えられそう。

「うん、一緒に行けたらいいな」


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