愛を私の音色に乗せて。
電車を乗り継ぎ、少し山の方まで出てきた。
「これ登るよ」
「えぇ!?これ登れるの…?」
目の前には階段と急斜面が入り組んだ山道。
ちぃ君はなんでこんなとこに来たかったんだ…?
私の手を引きながらどんどん山の中に進んでいく。
結構登るなぁ…
「着いた!
紫音、ここが俺が来たかったところだよ」
「わぁ…、」
今まで登るのに必死で周りの状況なんか見てなかったけど、
澄んだ空気とキレイな視界が広がっている。
たくさんの緑があって、小川が流れてて、お花も咲いている。
そして目の前には、童話に出て来そうな可愛らしい家が一軒あった
「やぁ千翼君!久しぶり!
よく来たね、その子が例の?」
「お久しぶりです伸二さん。
この子が俺の彼女の紫音です」
「は、はじめまして…」
誰なのか全く持って分からないし、今どういう状況なのかもわからない。
とりあえず挨拶したけど、どうしたら良いの…?!
「初めまして!僕は奥村伸二っていいます。
千尋君のお母さんの兄です」
…ちぃ君の親戚の人!?
「伸二さんはここでカフェをしてるんだよ。
今日は定休日だからお客さんいないけど、特別に貸切にしてくれるって言ってくれたんだ。
すげえ良いところだから紫音と一緒に来たかった」
なんでも、このカフェは『奥村森カフェ』っていう名前で、この地域では結構有名らしい