Bloody Kiss♡
振り返った彼女は足を止め、そして、ちょっぴり困った顔をした。
「さぁ、いつからでしょう‥。私はマリィ様のお供として、ここに来たのですが‥。」
「じゃ、質問を変える!今、人間界は2011年。ミューは何年生まれ?」
我ながら機転の利いた質問だと思った。
きっと、今のあたしはドヤ顔に近い。
「二千‥?ホントにですか?ならば、もう何百年と経っているんですね‥。」
「何百年?」
「はい。私が人間界にいた頃、マリィ様は王妃でした‥。」
ミューは、マリィ・リマが中世ヨーロッパでは、とある国の王妃だったと言った。
ある日突然、悪魔の手先にさらわれたと‥。
「それで、サタルドを?」
明るく輝く大理石の廊下に佇んだまま、あたしは質問を続けた。