Bloody Kiss♡
ギラギラと光る黒い門を潜り、セトは魔城の扉の前に立った。
血で染まったような赤のマントに身を包みフードで顔を隠した番人が、無言のまま重厚な扉を開けた。
音も立てず開いた扉の向こうは、真っ暗な闇。
あたしはセトの腕から降り、恐る恐る中を覗き込んだ。
「真っ暗や‥。」
ふと、蝋燭の小さな灯火が浮かんだ。
そして、
「お待ちしておりました。」
ホルスが姿を現した。
例え、彼が悪魔の一味だとしても、不安と恐怖を感じる場所で知った顔に会えると安堵感を覚える。
「ホルス!」
あたしは、ホルスに抱き着いた。