青夏ダイヤモンド
CDショップを見て回っている時も上の空になっていたけれど、脩の家に近づくにつれて、鼓動が自分の耳にも聞こえてくるほど大きくなっていて、足取りもフワフワとするようだった。
「鷹野?具合、悪い?」
「え!?ぜ、全然っ?」
「ふーん。何かずっと変じゃね?また今度でもいいけど」
ここで帰る、と言えば帰してくれそうだけど、付き合っていればそうなるらしいし、それがいつになるかというだけだ。
せっかく覚悟を決める時間が作れたのだから、このまま流れに身を流せた方がいいのかもしれない。
「ううん。大丈夫」
「そ。ほんと読みたいのな」
最早、漫画のことは忘れていたけど、話を合わせて頷いた。