青夏ダイヤモンド


「俺と脩は小学校から同じチームで野球をやってた」

沖田君はいつものハイテンションを封印して、とつとつと言葉を慎重に選ぶように話し始めた。

「脩はその時からピッチャー。うちのチームのエース。ちなみに俺は控えだったよ」

沖田君は自虐的に言いながら、小さく笑ってみせる。

「ライバルチームがいたんだけど、いつも競り合ってるチーム」

最初から沖田君の話のゴールは見えていた。

そのライバルチームこそ、私が所属していた野球チームだ。

「そのライバルチームのピッチャーは女の子。すごいキレの良い球を投げる子で、ヒットをなかなか打たせてもらえなかった」

あの頃は周りの男の子よりも体が大きくて、体力もあったからピッチャーをやらせてもらえていた。

雑誌に載せてもらったこともあったけど、それは実力よりも物珍しさからだったと、今では思う。


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