だから僕は、笑顔でサヨナラを叫ぼう
突如、今までその場でうごめくだけだった塊が、吸い寄せられるように猫へと近付いていった。
猫は動きを止めたが、逃げ出す素振りを見せない。警戒心より好奇心が勝ったのだろう。
好奇心猫を殺す。
格言にある通りだ。
脈動する黒は猫に近づきながら段々と大きくなり、やがて猫の伸び切った爪に触れた。
あとは、もう一瞬のことだった。
瞬きする間に猫は姿を消し、後には、先程よりもちょうど一回り大きくなったスライムだけが、残されていた。
スライムは満足そうにその場で佇んでいる。
時折内部から響く、ごぎり、べきりという骨折音や甲高い悲痛な悲鳴など、気にも留めずに。