死神の恋
文化祭ではステージに上がった途端、ミスできないという緊張のせいで頭が真っ白になってしまった。でもミスできないのは今日も同じ。それなのにプラザホールのステージに立っても頭が真っ白にはならない。鼓動はドキドキと音を立てているし、もちろん緊張もしている。
もしかして、これが高揚感?
これから私たち旭ケ丘高校ダンス部の演技を、みんなの前で披露するときがようやくきたと、興奮していることに気がついた。
「次は旭ケ丘高校です」というアナウンスが流れ、ステージがライトで照らされる。高校の体育館よりもはるかに大きいプラザホールの観客席は満員だ。
私は人一倍練習した。だから絶対に失敗しない……。
呪文を唱えるように自分に言い聞かせると、プラザホールに楽曲が流れ出す。リズムに合わせてステップを踏めば、自然に笑みが浮かんだ。
この楽しい時間が永遠に終わらないでほしい……。
そう願っても、必ず終わりは訪れる。だったら今この一瞬を心と体に深く刻み込もう……。
ステージの上で踊れる喜びを、楽しさを、そして達成感を味わいながらラストのポーズを決めた。