死神の恋

選抜メンバー入りを果たしからといって、舞い上がってなどいられない。

新人大会で披露するダンスの振りつけとフォーメーションを完璧にマスターするために、以前にも増して練習に明け暮れた。

そして迎えた新人大会当日。今、私は会場であるプラザホールのステージ脇で静かに出番を待っている。

普段はジャージで練習している私たちも、今日はステージ衣装である黒のワンショルダーのトップスと膝丈のチュチュスカート姿。赤いオーガンジーを使用したチュチュスカートは選抜メンバーではない部員の手作り衣装。回転するとオーガンジーがふわりと広がって、とても華やかだ。

大会では部員全員がステージに上がれないけれど、心は常に一緒……。

手作りチュチュに手を触れると、彼女たちの分まで精いっぱい踊ることを誓った。するとダンスの楽曲が止まり、プラザホールに拍手が鳴り響く。

どうやら前の高校の演技が終わったようだ。次は私たち、旭ケ丘高校の出番だ。

「未来。今日も楽しむよ」

「うん。楽しむ」

隣にいる真美と文化祭のときと同じ会話を交わすとニコリと微笑み合い、ステージに続く階段を駆け上がった。


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