上司にプロポーズされて困ってます
そんな人が何故私にプロポーズ?
いやいや、そもそも私と課長は……。
「あのっ、私たちって付き合ってないですよね!」
そうだよ!
普通プロポーズって付き合っている恋人に言うものでしょう。
私と課長は付き合っていない。
上司と部下、それ以上でもそれ以下でもない。
「確かに付き合ってはいない」
「ですよね!」
課長の言葉に激しく同意する私は何度も頷く。
「だが、どうしても諦めきれない」
「……はい?」
諦めきれないとはどういうことだ?
さっぱりわからない私は首を傾げる。
「柴本さんが結婚すると聞いた」
「……へ?」
口をポカーンと開けたまま、間抜けな顔をしているのは自覚している。