きっと夢で終わらない
「じゃ、私と賭けしませんか?」

「賭け?」

「賭けは先生の専売特許でしょ」


腕はだらりと下がったまま、弘海先輩は顔だけあげる。


「一位取れなかったら、私にコンビニアイス奢ってください」

「そんな安っぽい賭けでいいの?」

「私明日超絶暇だし、先生も制約あった方が燃えませんか?」


何もすることがないから、一つ楽しみが欲しい。
ただ見てるだけでも楽しくないし。
私との賭けなんてなんの利益も生まないから乗ってくれるかは分からなかったけれど、


「じゃあ、もし僕が一位取れてもなんかある?」


弘海先輩は身体を起こして、予想外に食いついてきた。
もし仮に弘海先輩が1位なんて取れることがあれば、一方的なのは不公平だから、何か自分の方にも課してやらなくもない。
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