「しんちゃん!」は、りんが好きだ、大好きだ。
僕が凜の方に顔を向けた瞬間。

僕の唇が何かに触れた。

…何だ?

その何かの感触がなくなると、何かがはっきり見えた。

僕があげた凜に似ているぬいぐるみだ。

1週間前の誕生日プレゼントとして僕が凜に贈った物…。

「しんちゃん!
綿アメありがとう!!!」

そのぬいぐるみの横から凜は顔を出して、とびっきりの笑顔を僕に見せた。

本当…。

ドォーン! ドォーン! ドォーン!

「花火だ!!!」

凜は大きな声でそう言うと、すぐベンチから立ち上がり、目の前に広がる池の側の柵の所まで走って行った。

「キレイ……」

ドォーン! ドォーン! ドォーン!

凜…。

僕が一緒に居る事、完全に忘れてるな…。

本当……。


「可愛すぎるな…」
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