空からの涙
・信じる
家に帰ってきた俺。

学校に行っても叱られるだけ。

自分から叱られに行くなんてバカげてる。

それよりも柚姫を迎えに行ってやれねぇ事が悔しくて仕方なかった。

「~♪~¶」

ディスプレイを見た。俺は今携帯に写ってる文字を長い時間見つめていた

……………柚、姫……?
いっこうに切れない電話。

出ていいのか…?

急な用かもしれない…。
俺は電話にでる。

「…もしもし」

「………今ね、和詞の家の前にいるから。私、待ってるから。」

すぐに切れた電話。

俺は急いで階段を降りる。

『ガチャ』

ドアを開けると柚姫の姿があった。

「柚姫…?」

柚姫の頬には涙の跡がついている。

「とにかく入って!」

何も言わない柚姫の手を引いて家に入れた。

「…急にごめんね。」

部屋に行こう、と言ったけどここで良いと言う。

「いや、いいんだけどさ……」

柚姫は俺を避けてたんじゃなかったのか……?

「これ、読んでほしいの。」

柚姫から渡された一通の手紙。

グシャグシャになって少し皺がついている。

ゆっくりと手紙を開いた。

……最初の文が『柚姫へ』になっている。

柚姫宛の手紙?

何で…俺に?

ゆっくり柚姫の顔を見た。

柚姫の目には涙が溢れている。

でもその涙がこぼれ落ちる事はない。

俺は手紙の続きを読んだ。

『柚姫へ────────────────────────────────────────────………………


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